ヴィンテージマンションとは
マンションは築年数が経過するごとに価格が下がっていくのが一般的ですが、マンションの中には、築年数が10年、20年経っても価格が下がらず、反対に上がっていくようなマンションがあります。そのようなマンションは「ヴィンテージマンション」と呼ばれています。ヴィンテージマンションとは、築年数が経っても資産価値を維持しているマンションを指すようですが、意味や定義に明確な決まりはないようです。
一般的に言われているのは、立地が良い(主に、千代田区、渋谷区、港区等の都心に集中しているようです)、他にないデザイン性がある、管理体制が行き届いている、コミュニティが良好という点です。ある不動産調査会社によると、ヴィンテージマンションは「築10年以上」「平均専有面積90平方メートル以上」「坪300万円以上」といった厳しい条件が設定されているといいます。そのため、ヴィンテージマンションと呼ばれる物件数は多くなく、価格が高止まりする傾向にあるようです。人気がある物件は知名度も高いという事もあり、そのマンションに住む事自体がステイタスとなり、ヴィンテージマンションを目的に物件を購入された方は、その物件に愛着を感じている方がほとんどだという事で、自然とマナーも良くなり、マンション自体のコミュニティが良好となります。同じ年数経っている中古マンションと比較すると、ヴィンテージマンションは築年数が経てば経つほど価値が上がる暮らしやすいマンションと言えそうです。
次にヴィンテージマンション購入の際の注意点も見ておきます。年代物のマンションという事もあり、築浅マンションと比べると不安要素が出てくるのは事実の様です。まず確認したい点は、管理や修繕計画についてです。築年数が古いという事はそれだけ修繕が必要になる場面が多く出てくるので、事前に修繕積立金の残高や、これからこれまでの修繕内容、計画等の確認が大切になるとの事です。次に耐震性の確認です。ヴィンテージマンションは旧耐震で建築されたものが多いようなので、必要に応じて耐震補強工事等が行われているかどうか確認する事も重要です。また、物件購入後リノベーションを制限なく出来るかどうかも事前確認として大事な確認事項です。購入後、自分の思い通りのお部屋にリノベーションをするというのも、中古マンションを購入する上で醍醐味の一つに挙げられると思うので、マンションの管理規約等でフローリングへの変更不可という規約がある場合や、パイプスペースの関係で浴室の位置を動かす事が出来ない場合など、どこまで自由に変更できるのかどうかの確認作業は重要になってきます。また、ヴィンテージマンションに住み続ける事で、将来「建て替え」という問題に直面する可能性も出てきます。建て替えとなった場合、現在と同規模のマンションを建てる事が難しい場合もあるので、そうなった場合は、所有するお部屋自体が狭くなる可能性もあります。建て替え時に同じくらいのマンションが建てられるのかどうかも大切なチェックポイントとなりそうです。
ヴィンテージマンションを選ぶ方々は、ただ立地の良い所に住みたいだけではなく、物件自体に惚れ込んで購入しているという事がわかった気がします。専有部分だけでなく、共用部分も綺麗に使おうという意識が生まれ、住人同士が連携して良いコミュニティが作られる事で価値を落とす事なく素敵なマンションを維持できているというところにつながるのだと思いました。