神奈川の株式会社栄光が破たん
2016/08/17 カテゴリ:news
先日、神奈川県の中堅消費者金融業者の株式会社栄光が破たんしました。負債総額は209億円で内175億円が過払債務との事でした。最高裁の判決が出て10年経過し時効消滅する債務もあったかと思いますが、過払金は優良顧客との取り引きが長期間になると多額になる傾向があります。
出資法における上限金利の推移は以下の通りです。
以前は 年率 109.5%
1983年11月~ 73%
1986年11月~ 54.75%
1991年11月~ 40.004%
2000年6月~ 29.20%
2010年6月~ 20.00%
度重なる上限金利引き下げにより、収益性の面から一人当たりの融資残高を増加させ、その結果、顧客の返済能力を超える融資が増え、逆に自己破産者を増加させるという悪循環に陥りました。さらには過払金の問題から、消費者金融業者の資産内容(営業貸付金の質)が劣化し収益を生み出すことが出来なくなってきた現状があります。ITを駆使した銀行系の大手以外には生き残る道はありませんでした。
消費者金融会社も金融機関、投資家、個人からの資金調達で融資を行っておりました。大半の同業者は法改正と同時に金融債務返済と収益性の高い事業にシフトする為に事業規模を縮小させて参りました。その結果、破たんには至らないものの大部分の業者が廃業に追い込まれ姿を消していきました。
株式会社栄光の場合、帳簿残高がいくらあるかは分かりませんが、金融債務が30億との報道からそれ以上の貸金債権があったものと思われます。しかし、帳簿上債権でも利息制限法に引き直すと債務になっている取引きが多数あったものと推測されます。古くからある同業の貸金業者の破たんのニュースで少し寂しくなった管理人でした。