滞納処分による差押登記がある場合
本日付の日経新聞の一面記事で国民年金保険料の徴収強化とありましたが、固定資産税、国民健康保険税の徴収には不動産の差押えがなされるケースがあります。不動産担保融資の場合にはご契約時にご融資金で滞納税金を納付して頂くことをお願いしておりますが、ご契約後に物件所在の市町村より「交付要求」という書類が届く事が多々あります。
これは、抵当権の設定登記がある物件で税金等の滞納があると、「滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律」に基づき手続きが進められ、債権額及び利息金額を届出なければなりません。滞納税金と抵当権の優劣ですが、抵当権設定登記と税金の納付期限の早い方が優先的に配当を受ける権利があります。交付要求では滞納税金の種類(固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税、不動産取得税)とその納付期限、延滞税の記載があり、税目と延滞額が分かります。
また、交付要求の後、税金が納められると「交付要求解除通知書」が届きますので、税金のお支払状況を把握できる仕組みとなっております。
不動産担保ローンの契約では事前に滞納税金が無いか調べる為に納税証明書をご用意頂いておりますが、ご契約後は時間が経過しても納税証明は頂いておりません。約定返済が進んでいる間は、交付要求があっても当社の方針で競売申立てをする事はございません。滞納処分が長期間継続している状態でも、地方自治体が差押から競売申立てに移行するケースは稀です。特に居宅の場合には、生活を維持する事が出来なくなる恐れがあるので滞納処分の執行が出来ない事になります。(第153条関係)
逆に、担保不動産競売申立てを行い競売開始決定後に、税金の徴収職員は競売が取下げられても事件が続行するように、続行決定の申請が可能であり、悪質な滞納者の場合には申請されるケースがあります。この場合には、ご融資金の全額返済による競売事件取下げを申し立てしても、裁判所の手続きはそのまま、売却処分まで継続しますので、併せて滞納税金の納付が必要となります。続行手続きが申請されたケースは最初に払うべき不動産取得税すら払っていない方でした。
あるお客様で「不動産を購入すると責任が重くなり、国民健康保険料を滞納していたが、改めて納税義務の重要さに気づかされた」ともおっしゃっていました。
不動産担保ローン株式会社では、不動産に関するご相談、納税に関するご相談も承っております。滞納処分による差押の登記がある不動産でも、前向きに検討致しますので、お気軽にご相談下さい。
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