再建築不可物件について
某有名番組で、「再建築不可物件」をタレント自らが購入し、リフォームも自ら行い、最終的には自分自身がペットと一緒に住むといった人気コーナーがあります。番組内でタレントが購入した物件は、都心部の住宅エリアに位置しており、新築で同じ所に購入した場合、1億円はくだらないとの事ですが、再建築不可物件のため、4,000万円程で購入できたとコーナーの冒頭で紹介されています。最近空き家の増加が問題となっていますが、空き家になっている中にも多くの再建築不可物件が含まれているといいます。テレビで紹介されている様に、格安で再建築不可物件を購入し、自分好みにリフォームをしようと検討されている方も多いかもしれません。今日は再建築不可物件について調べてみます。
再建築不可とは文字のとおり、家を新築する事が出来ない土地の事です。再建築不可物件を取り壊し、更地にしてしまった場合、新たに住宅を建築する事は出来ません。再建築不可となる物件の特徴は、①前面道路が建築基準法上の道路ではない、②接道長が2m未満という事です。
建築基準法の第42条では、「基本的に建築物の敷地となる土地は、幅員(道路の幅)4メートル以上の道路に2m以上接していなければならない」と規定されています。
総務省の住宅、土地統計調査によると、東京23区内には再建築不可の物件が約25万戸あるとの事なので、不動産市場にもかなりの再建築不可物件が出回っていると思われます。マイホーム探しをしている方ならこのフレーズを目にする機会があるかもしれません。
再建築不可物件を一般の方が購入する際、まず覚えておかなければならない点は、なんと言っても「再建築出来ない事」です。天災などで倒壊しても建て直す事が出来ません。また、購入前にインスペクションを実施して、必要があれば補修、補強を行いますが、再建築不可物件には元々老朽化している物件が多いと思うので、購入後もメンテナンスが必要になります。
しかし最近では、再建築不可物件に絞って物件探しを行う方も多いようで、再建築不可物件だけを集めた不動産サイトもありました。そのホームページでは、リフォーム済みの室内の写真をオシャレに掲載しており、間取りや室内の雰囲気だけを見ればとても魅力的に見えます。少し前からですが、古民家ブームもあり、レトロな暮らしを求める若者も多いようです。更に、販売価格も低く設定されており、固定資産税などの税金も安くなっているので、初期費用としては安く抑えられるかもしれません。
また、購入時には接道義務を満たしていなかった土地が、近隣環境の変化により周辺の土地を購入する事が出来るようになった場合、再建築可能な物件になり、資産価値も上がるので再販がしやすくなります。
再建築不可の古家をリノベーションして再活用する事は空き家対策としてもすごく良い事だと思います。しかし、自分自身が再建築出来ない物件を買う事を決断出来るかどうか…。まだまだマイナスイメージが強い印象があります。
立地で探している方々にはこのような物件も選択肢に入ってくると思いますので、将来、こんなはずじゃなかったと思うことがないよう十分な調査を行ってから契約をする事が大切だと思います。
不動産担保ローン株式会社でも不動産評価で接面道路が重要な要素になっております。ご心配な方もまずはお気軽にご相談下さい。