全国版空き家バンクとは
空き家問題が深刻になっている日本ですが、国の取り組みとして「全国版空き家・空き地バンクの構築運営に関するモデル事業」というものがあります。今日はこの「全国版空き家バンク」について調べてみます。
空き家バンクとは、各地方自治体やその自治体から委託されたら団体が、空き家とそこを使いたい希望者を仲介する仕組みです。
一見普通の賃貸業と変わらないようですが、空き家バンクは営利を目的とせず、「地方に人を呼ぼう」や「地域を活性化させよう」という目的で活動されている地方創生のためのシステムです。
当初、空き家バンクは地方の自主的な活動として取り組まれていたようですが、後に国土交通省による全国版の空き家バンクという取り組みになりました。国が関わってくるということは、空き家問題がかなり深刻な問題になってきている事を示していると言えます。
次に全国版空き家バンクの目的を見ていきます。国土交通省のHPには次のように掲載されていました。
- 需給のミスマッチの解消や新たな需要の創出等により、空き家・空き地等の流動性を高め、有効活用を推進。
- 全国の空き家・空き地等の検索が可能な全国版空き家
- 空き地バンクの構築、空き家・空き地等の流通促進のために先進的な取組を行う団体等への支援を行う。
空き家バンクの大きな目的は増え続けている空き家を減らし、地域を活性化させる事だと思います。空き家が増えると景観も悪くなり、衛生面、防犯面で問題が起こる可能性が高くなります。また、地方の場合は特に、商店や交通機関の利用が減る事でさらに過疎化が進む原因にもなります。このような問題を解決するためにも空き家バンクの存在はとても重要なのだと思います。
空き家バンクの仕組みはというと、空き家を所有している方がその地域の空き家バンクに空き家登録をします。各自治体は、それぞれのやり方で希望者を探します。その後、希望者が理想とする物件が見つかった場合、所有者に対し「利用者としての登録や交渉」を行います。
空き家バンクのメリットとしては、希望者にとっては不要な営業を不動産会社から受けずに済む事です。また、真剣に移住を考えている人がこのようなサイトから物件探しをすると思うので、自治体側からしても良い結果に繋がっているという事です。
反対に問題点としては、主に所有者側ですが、空き家を手放したくないという理由や、古すぎて貸せる状態ではないという事から空き家バンクに登録をしていない方が多いようです。
また、空き家バンクを経由して成約まで行くとその後、自治体には責任がなくなります。所有者と利用者の間でトラブルになる可能性もあるとの事で、少し費用はプラスになりますが、可能な限り不動産会社を利用した方が安心との事でした。
全国版空き家バンクは空き家を所有している方が空き家を有効活用出来る大きなチャンスです。一般の不動産会社では紹介不可の物件も、空き家バンクなら紹介してくれる可能性があります。
空き家の所有者にとっては今の所マイナス面はないように感じるので、空き家減少につなげるためにも、より利用される仕組みになると良いと思います。
