おとり広告とは
不動産を探す上で欠かせないのが不動産のポータルサイトです。しかし以前より問題視されている「おとり広告」が未だなくならず、今年においても違反事業者17件、違反登録物件44件と首都圏不動産公正取引協議会による調査の結果で報告されているといいます。
おとり広告とは、実際に紹介できない魅力的な物件をわざと広告し、お客さんを誘引し他の物件で契約をさせようとする悪質な手口です。おとり広告の中にもいくつか種類はあるのですが、実際に存在しない「架空物件」の掲載を行う事や、物件自体はあるものの、不動産会社が実際貸す意志がないにもかかわらず、客寄せのために掲載を行っている物があります。どちらも、お客さんを良い条件の物件でだましてお店に呼び、他の物件を契約させるといった悪質なやり方です。また最も多いおとり広告とされているのが「契約済み物件」の掲載です。既に入居者が決まっている物件で、反響がよかった物件をそのまま継続して掲載しているケースです。成約になり広告を削除するのを忘れてしまう場合もあるので、すべてが悪意ある物とは言えませんが、悪意がなくてもおとり物件としてカウントされるようなので、不動産会社は定期的に掲載内容をチェックし最新の情報にしておく必要があります。
多くの方が経験あると思いますが、気に入った物件の内見をお願いしに不動産会社へ行くと、「つい先ほど申し込み入ってしまって…」という場面に出会う事があります。これはリアルタイムで色んな人が同じ情報を見て問い合わせしている事を考えると仕方ない事にも思えるのですが、この営業方法をわざと狙う不動産会社が出てくることは避けたいものです。
そこで、各ポータルサイトと全国の不動産公正取引協議会は連携し、規約に違反した業者に広告掲載を停止するよう求め、今後同じ事がないよう掲載の見直しをお願いしているといいます。 広告の掲載停止となる者は、公正取引協議会から「厳重警告、違約金」の措置を受けた不動産会社であり、主要5社のポータルサイトに原則1ヶ月以上広告を掲載する事が出来なくなります。不動産会社にとってネットでの集客はとても重要なので、1カ月の掲載停止は非常に重い罰だと思います。
では次に、集客目的で故意に載せている場合の見極め方について考えてみます。
① 相場にあった賃料設定かどうか
ポータルサイトでエリアを絞り込んで検索した場合、大体同じような金額の物件が検索結果として表示されます。その中であまりにも金額が低い場合はおとり物件の可能性があります。または、事故物件や、定期借家契約で契約の更新が出来ない物件かもしれません。
② 現地案内が可能かどうか
とても気に入った物件で、この物件が見たいといった場合は、不動産会社に現地待ち合わせで内見申し込みをしてみます。おとり物件だった場合には内見ができないので、待ち合わせを店舗に指定されるかもしれません。
③ 複数の不動産会社に問い合わせる
本当に空室の物件かどうか調べるには、複数の不動産会社に連絡をしてみる事です。たまたま電話したところが、おとり物件を掲載するような会社の可能性もあります。ほとんどの物件の場合、各不動産会社で紹介が可能となります。正しい情報を得るためにも確認は念入りに行うことが大切です。
やはり、家を探すとなった場合、手軽に部屋探しができるということでポータルサイトを利用する方が多いと思います。各ポータルサイト運営会社の取締りのおかげで数は少なくなってきているといいますが、まだ完全撲滅には至っていないのが現状です。おとり広告が完全になくなり、ユーザーが疑心暗鬼になることなく安心してお部屋探しができる環境を整える事が大切だと思いました。