誘導灯について
先日、多くの犠牲者を出す放火事件が起こりました。火災はとてもおそろしく、1秒逃げ遅れるだけでも手遅れになる可能性があると言われています。今回は放火という許されない行為による火災でしたが、生活をする上でいつ火災や災害に巻き込まれるかわからないので、いざという時にきちんと逃げる事が出来るのか、今一度確認をする必要があると思います。今日はもしもの時の逃げ道である非常口を示す誘導灯についてみてみようと思います。
不特定多数の人が出入りする建物には誘導灯の設置義務があります。誘導灯は、日常ではあまり聞きなれない言葉だと思いますが、必ず目にした事がある、非常口の上によくある表示(緑色の人が外に逃げ出している表示)の事です。
誘導灯とは、非常口と呼ばれる直接外へ避難出来る扉や非常口に通じる通路に設置する箱型の照明器具で、箱の中に非常口を示すイラストが内蔵されています。これは火災や地震等が発生した場合に、建物の中にいる人々がスムーズに、安全に避難出来るようにと設置されています。避難時にこのような表示がなければ、どこに逃げたら良いかパニックになり、逃げ遅れたりする人も出てくるかもしれません。誘導灯は確実に安全に逃げるために欠かせない標識となります。
誘導灯は消防法によっていくつかの設置基準が定められています。不特定多数の方が出入りするビルやお店、学校、病院等には全ての階に誘導灯を設置する義務があります。基本的に、一定の間隔を置いて誘導灯を設置しなくてはいけないようですが、ある条件を満たした場合には設置不要となるケースもあり、それは、非常口までの距離が30m未満の場合で、非常口の場所を目視で確認できるかどうかという点だそうです。
また、誘導灯は火災や地震等の際に、建物内にいる全員の避難が完了するまでの間点灯し続けなければなりません。誘導灯のタイプには、20分以上点灯するタイプと、60分以上点灯するタイプの2種類があるようです。この種類の使い分けとしては、建物の面積によって決まりがあるようで、60分以上の長時間型誘導灯は、延床面積が50,000㎡以上、15階建て以上かつ延床面積が3,000㎡以上、地下街では延床面積が1,000㎡以上となっているようです。火災や地震の際は、電源が遮断されるなど何が起こるかわからないので、非常口を示す灯りは命を守るためのとても重要な設備であると思います。
誘導灯の設置にはいくつかの条件や基準等あるので、消防法をしっかりと確認する事が最も大切です。また、設置した誘導灯は定期的に点検をする必要もあり、いざという時にきちんと点灯しなければ意味がなくなってしまいます。その他火災が起きた時に必要となる物としては、消火器や火災報知器もありますが、特に個人として点検が必要となるのがこちらの設備だと思います。火災報知器の耐用年数の確認や、消火器の使用期限の確認など火災や災害に備えて定期的にチェックしておく事はとても大切だと思います。