事故物件ガイドライン作成へ
自殺などで住人が亡くなった、いわゆる「事故物件」について、現在はっきりとした基準はありませんが、年内にも国土交通省により、契約の際に告知する基準を示すガイドラインが完成する予定です。
事故物件の定義はとても曖昧で、不動産会社によっても「告知するか否か」の判断が分かれているとても難しい内容となります。一般的には、「自殺」「殺人」は事故物件扱いとし、告知する流れとなっています。しかし、同様に部屋の中で亡くなるケースに「自然死」という場合もありますが、こちらの場合は会社によって告知する、しないと判断が分かれているようです。病気や具合が悪くなり突然お亡くなりになられるといった場合がありますが、生きていれば自然と訪れるという理由で「告知をする必要はなし」といった考えがある一方、部屋の中で亡くなっているのだから、「告知する必要あり」と判断される所もあります。借主側の気持ちもそれぞれですが、その人にとって心理的に嫌悪感を抱いてしまう内容であれば、告知するべきであるということになるかと思います。
また、事故物件については、何年先まで告知義務が発生するのかという点も問題に挙げられますが、これも人それぞれ感じ方が変わって来ますので、答えは曖昧になっているというのが現状です。「風化したころから告知しない」、「2~3回賃借人の入れ替えがあったら告知しない」など不動産会社によって判断が分かれています。
ガイドラインを作成するにあたり今後考えられる問題としては、高齢者単身入居だと思います。部屋の中での孤独死発生を避け、何歳以上の申し込みNGなど、高齢者が断られるケースが増える可能性が予測されます。孤独死の場合、気がつくまでに時間がかかることも考えると、発見が遅れる事で異臭が発生する事になり消毒やクリーニング等オーナーとしては費用、時間ともにかかる事になります。
現在は、それぞれの不動産会社の判断で告知するかしないかの対応がわかれていますが、ガイドラインが出来る事により、事故物件に対しての明確な基準が出来る事になるので、告知を聞いていないといったトラブルは減るかもしれません。しかし、どこまでが事故物件扱いになり、告知が必要になるのか、それぞれ意見が異なっており、とても難しい問題であると思います。売買、賃貸どちらにおいても重要な変更点になると思うので、今後の動向に注目していきたいです。