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銀行の視点から見る決算書の見方

2020/10/20 カテゴリ:loan

銀行融資を受ける際には、銀行は決算書の提出を求めてきます。その内容を審査した上で融資可否を決定しているのですが、銀行は決算書をどのように見ているのでしょうか。以下では、銀行が知りたい情報とその情報を決算書からどのように読み取っているか、その視点について説明します。

 

  • 銀行は決算書から知りたい情報は何か

まず、銀行は決算書から何を知りたいと考えているのでしょうか。

銀行が融資を審査するときに一番知りたいと考えているのは、この企業が融資を返済できるのか、その点です。

そのため、決算書を分析するときにも、基本的にはこの企業は借入金をどのくらい返済できるのかという視点を基本として、提出された決算書を見ています。

企業として借入金をどのくらい返済できるのかは、つまるところは融資を行っている期間内に実際にどの程度企業が儲けることが出来るのか、と一点につきます。

これを判断する際、大きな視点としては、以下の4つの視点から、決算書を分析していくことになります。

・安全性

どんな企業であっても継続して経営していくことが全ての前提となります。どんなに儲かる事業を持っていても倒産しては意味がないため、安定期に経営できるかどうかが大切となります。しかしながら、企業経営は常に予定外の出来事との戦いであり、経営環境の変化に常に対応できることが必要です。その対応策として、安全性という視点から、まずは経営環境の変化に対する対応力を審査しています。

ここでいう安全性とは、単純に企業の財務上の安全性のことをいうのではなく、資金繰りを含めて、当面倒産の可能性が低いと判断するための材料となります。

・収益性

いかに経営として安定していても、収益を生み出さない限り、企業は利益計上することが出来ません。そのため、融資の際には、融資による投資金額に相当する収益性を有していることが必要となります。ここでは、収益の金額そのものの他、収益率やその他の企業としての収益体質なども含めて審査していくこととなります。

・成長性

安全性、収益性と合わせて、成長性についても検討します。今は大きな収益が出ていなくても、成長を続けていくことで規模の経済性が働き、必要経費を吸収して収益力が向上することがあるからです。また、収益性の伸びが鈍くても、それ以上に成長すれば収益そのものにつながることもあります。

・経営者の資質と志向

決算書は経営の結果を記録する書類であるため、その企業の経営者の資質や志向を色濃く反映するケースが多いです。そのため、そのような経営者としての資質・志向を見抜くためにも、決算書の内容を分析することがあります。

 

  • 銀行の視点から見る決算書の見方

前段では、銀行が決算書から知りたい情報を決算書から読み解く際、大きな視点として、安全性、収益性、成長性、経営者の資質と志向を大きな視点として見ていることを説明しました。以下では、実際に銀行が決算書を見る際、その視点に基づいてどのように分析しているか、代表的な指標や考え方について説明します。

 

・安全性

前述の通り、財務上の安全性や資金繰りなどを含めて、安全性を判断しています。

  • 自己資本比率(純資産合計÷総資産合計×100%)

会社が所有する総資産に対する純資産(自社によって調達した資本で自己資本とも呼ぶ。)の割合を示す指標です。借入余力や損失発生に対する財務的な安定性を示す指標で、安全性の代表的な指標です。

  • 流動比率(流動資産÷流動負債×100%)

会社の貸借対照表の流動資産(1年以内に現金化できる見込みの資産)と流動負債(1年以内に支払いが必要となる負債)の割合を示す指標です。短期的な支払い債務に対する支払い能力を示しており、通常100%以上であることを求められます。

  • 現預金月商倍率(現預金合計÷売上高÷12)

現預金を月商の何倍程度保有しているかの指標です。企業経営においては突発的な売上の減少や資金回収の遅れなどが発生することがありますが、その時に支払資金が手当てできない企業は、どんなに収益性の高い企業であっても倒産することとなります。この指標では、急に売上が入ってこない事態となっても、何か月程度企業として経営できるかを示しており、倒産しにくい会社かどうかを判断する材料となっています。通常は最低でも1か月分は確保しておきたいところです。

 

・収益性

前述のとおり、総合的な収益力を判断されることとなりますが、特に、収益額の大きさ、収益性の高さ、収益の安定性について両立しているかがポイントとなります。

  • 経常利益(経常利益率=経常利益÷売上高×100%)

経常利益とは、資金運用等の本業以外の収益も含めた、企業経営の結果としての基本的な利益となります。そのため、その金額は銀行側の大きな判断ポイントとなり、その金額と借入金とのバランスが銀行にとっての一つの判断ポイントとなります。また、その利益率を示す経常利益率についても、他の指標や成長性などと合わせて、企業の収益性の高さの判断基準となります。

  • 営業利益(営業利益率=営業利益÷売上高×100%)

営業利益とは、ビジネスとして見たときの、その企業の収益性を示しています。営業利益の出ている企業は経常利益も高いことが通例ですが、まれに異なるケースもあり、その場合には、資産処分や債務の借り換えなど、銀行の提案できる幅にあたるケースも多く、営業利益率も含めて、多くの金融機関が注目するポイントです。

  • 損益分岐点比率({固定費÷限界利益率}÷売上高×100%)

企業の収益構造は、業種・業態によっても大きく異なり、売上高の収益に対するインパクトはそれぞれ異なります。そのため、現在のコスト構造(変動費の比率)をもとに分析し、どの程度売上高が減少した時に利益がゼロとなるかを計算することが出来ます。これが損益分岐点比率です。この数値が低いほど、売上減少に対する耐性が強いと判断されます。

・成長性

成長性とは、文字通りビジネスの規模の成長性を、主に損益計算書から判断しています。

  • 売上高増加率({売上高-前年売上高}÷前年売上高×100%)

前年対比で売上高がどの程度増加しているかの指標です。大きければ大きいほど良いと考えがちですが、急成長の段階では安全性に大きな懸念が出るケースも多く、収益性とのバランスで判断しています。

  • 営業利益増加率({営業利益-前年営業利益}÷前年営業利益×100%)

前年対比で営業利益がどの程度増加しているかの指標です。こちらは利益の為、大きければ大きいほどよい、と考えています。

・経営者の資質と志向

経営者として的確な判断をしているか、真摯に経営に専念しているかを判断する視点です。一般的な判断が難しい項目ですが、以下のような点は必ず見ています。

  • 固定資産に対する投資額の中身

固定資産として投資している金額の中に無駄な投資はないか、経営陣の私的なものが含まれていないかを見ています。具体的には収益を生まないオフィスの改修や、経営陣が私的に使用する自動車や船舶の有無などです。

  • 投資勘定の内容

企業の資金を私的もしくは投機的なものに投資していないかを確認します。具体的には実態のない有価証券や関連会社・役員への貸付金などです。

  • 借入金・借入金利息

企業経営のために借入金を計画的に利用しているかを確認します。具体的には企業規模に対する借入金が過大でないか、利息の高い借入をしていないか、等です。

 

・銀行を意識したときの決算書に対する考え方

以上に挙げた通り、銀行は堅実に収益・内部留保を積み上げた決算を好む傾向があります。そのためには、毎期確実に利益計上をしていくこととともに、不明瞭な資産・負債を作らないことが大切です。ノンバンクからの借入金についても、銀行は資金繰り悪化の兆候として考えているため、いい方向性とは考えていません。

その一方で、銀行は、上記の通り、良好な経営実績を作らないと融資が難しいという側面もあります。開業まもなく資金力がない、債務超過や収益実績不足で銀行借入が難しい、リスケ中である、などという状況では、銀行からの借入金を得るのはかなり厳しいことです。

そのような場合で、事業の拡大のためにどうしても資金が必要な場合には、事業実績を残すための手段として、銀行借り入れ以外での資金調達手段(ノンバンク、ファクタリング)の利用も、少額であれば検討する余地はあります。

 

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