ペアローンとは?
最近、夫婦共働き世帯が増えた関係で、住宅ローンを組む際、夫一人ではなく夫婦ペアで住宅ローンを組むといった家庭も増えていると言います。住宅ローンの融資額は契約者の年収を基準に決定されるため、希望の住宅を建てたいのに必要な融資額に届かない場合や、住宅購入後のもしものための資金として現金を手元に残しておきたい場合などに、融資額を増やす事が可能となります。今日はそんな時に契約が出来る共働き夫婦向けのペアローンについて良い点、注意点等を見ていきたいと思います。
ペアローンとは、1つの物件に対し、夫、妻がそれぞれの名義で住宅ローンを組むやり方です。例えば、4,000万円の物件を3,000万円夫が、残り1,000万円を妻がそれぞれ住宅ローンを契約した場合などがペアローンとなり、それぞれが住宅ローンを返済して行く事になります。
○ペアローンのメリット
ペアローンの一番のメリットは、借入額を増額出来るという点です。夫一人の年収では思い通りのマイホームを建てる事が出来ない場合などに融資額を増やす事が出来るので希望通りのマイホームを手に入れる事が可能になります。また、住宅ローン控除も夫婦二人分が適用となるのも魅力とされています。住宅ローン減税とは、毎年12月末の住宅ローン残高のうち1%が控除されるという物ですが、最大で40万円という上限があります。夫一人の場合は最大で40万円ですが、夫婦でペアローンを契約した場合には、最大で80万円の控除を受けられる可能性も出てくるという事になります。また、将来売却をする事になった場合も、特別控除3,000万円という制度があり、物件を売却した時の利益が3,000万円までは税金がかからないといった物があるのですが、この制度もペアローンにした場合は、夫婦両方から控除する事が可能になるので最大6,000万円まで控除する事が出来るという事になります。
○ペアローンのデメリット
ペアローンの一番の注意点は、収入減のリスクです。30年という返済期間の中で、万が一働けなくなる可能性は大いにあります。特に、妻の方は出産を機に働き方を見直す家庭が多く出てくるので、転職や時短勤務などによりローン契約時より減給となる可能性があります。そんな時には夫側が妻の返済分も含めた金額を返済し続ける必要が出てくるのでかなり苦しくなるのでは?と考えられます。また、団体信用生命保険もそれぞれが加入する事になりますが、どちらかが亡くなってしまった場合に免除されるローンは亡くなった方のみで、残された側のローンは丸々残るので、継続して支払い続けなければなりません。更に、住宅ローン契約時には契約者が2人という事もあり、手続き費用等が2倍になるといった事もあります。
ペアローンは融資額を増やす事が出来るので、希望のマイホームを購入する事が可能となりますが、30~35年といった長い返済期間の中で、現在の収入ベースがずっと続かない事も視野に入れる必要があります。メリット部分は魅力的にも見えますが、デメリット部分を特に意識しながら、ローンを組むことが最も大切であると感じました。