20代若者の消費者金融利用者増加の理由を考察
2019年6月に出された日本信用情報機構(以下、「JICC」)の集計データによると、ここ数年で20代若者の無担保融資の利用が増えているとのことです。若者の物欲低下が話題になっている中、なぜ利用者が増えているのでしょうか?
それには、買い物の仕方と決済方法の変化に関係がありそうです。
iPhoneの登場によりスマホが普及しだした2011年以降からは、物欲が出てくると安い物をサクッと買うスタイルが若者の主流になったため、まとめて一気にお金を使うことは少なくなったといわれています。スマホ決済やネット通販など、現金を意識せず手軽に買い物ができるようになったせいで、小額商品の購買頻度が増え、積もりに積もった多額の請求に気付かず、クレジットカードの毎月の支払日に引き落とし口座が残高不足になるケースが増えました。それを補うため消費者金融からお金を借りてクレジットカード会社の支払いに充てているということが20代若者の消費者金融利用者増加の背景のようです。JICCの集計データからも20代の申し込み件数がクレジットカードの決済日前後に集中していることが読み取れます。
また、20代の消費者ローン利用者が増えるのに比例して、債務整理や自己破産、民事再生などの件数も20代が急増しています。20代であれば再度クレジットカードが作れるようになるまで5年我慢してもまだまだ30代半ば。その安易な考えも自己破産へのハードルを下げている気がします。
2019年は「キャッシュレス元年」とも言われ、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使ったQRコード決済など、キャッシュレス化を推進する動きが活発になりました。特に2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、その動きは本格的に広がり、現在、各社がサービスを競っている状況です。
キャッシュレス決済、特にクレジットカードを使ってお支払いをするということは、一時的にクレジットカード会社からお金を借りているのと同じことだと言うことを忘れてはいけません。