近隣相場より安い賃料について
年が明けると、新年度に向けてお部屋探しをされる方も増えてくると思いますが、ネットなどで情報を集めている中で、とても良い条件にも関わらず、他の物件よりも安い賃料で紹介されている物件に遭遇する事があると思います。しかし、その安さには何か必ず理由があると思うので、知らずに安さだけに惹かれて契約をしてしまうのは危険です。今回は、相場よりも安い物件にありがちな理由等注意点を見ていきたいと思います。
賃料が安くなる大きな理由は、近隣の物件と比較した時に、他の物件よりどこか劣る点があるからという事になると思います。例えば、他の部屋よりも陽当たりが悪い、オートロック、モニタ付きインターフォンがなくセキュリティー面が不安、線路や高速など騒音や排気ガスの問題がある、建物の築年数が古く借りる方が見つからないなどが挙げられます。陽当たりに関しては、日中家にほとんどいない方、夜型の生活の方なら全く気にならない点だと思います。セキュリティー面に関しては、女性の一人暮らしだと、特に重要ポイントになるかと思いますので、防犯設備については念入りに確認する事が大切です。また、電車や車の通りがある所では、振動が部屋まで届く可能性があるので、夜寝る事が出来ず、音に敏感な方は生活に支障が出てくる可能性もあります。反対に音が気にならない、どんな環境でも寝る事が出来るといった方なら、お得な物件と言えそうです。
また、物件の周辺環境によって家賃が安くなっているケースも多いようです。近くに墓地がある、近くに歓楽街がある、近くに暴力団施設がある等です。内見時は、不動産屋さんが車で物件まで連れて行ってくれる事がほとんどだと思うので、駅からの帰り道の雰囲気や、近隣に何があるかなどは住んでから知る事がほとんどだと思います。内見の際に出来る限り周辺のチェックをして、近隣情報も頭に入れておく事が重要かもしれません。
稀に「近隣相場より極端に安い」といったケースにも出会う事があります。その場合は、事故物件の可能性が高いと言います。事故物件の定義はありませんが、一般的に言うと、その部屋で過去に事件や事故があった、前の入居者が部屋で亡くなった等です。この事故物件に当てはまる場合は、不動産屋さんは入居者に告知義務がありますので、入居後に事故物件だったと知るケースはほとんどないと思いますが、念のため事故物件かどうかを事前に確認しておく事で安心出来ると思います。
相場よりも安いと何か悪い理由があるのでは?と心配されると思いますが、安いからと言って全てが悪いわけでもありません。物件によっては、大家さんの事情や、部屋探しの時期ではない問題から安くなっている物件もあるので、そのような物件に出会えたらラッキーでもあります。
特に劣る所もないけれど、すぐに誰かに借りてほしい時などに、大家さんが相場よりかなり低めの賃料に設定する事もあります。また、不動産屋さんの閑散期と言われる4~6月、10~11月は、繁忙期と比べれば比較的賃料が抑えられているとの事ですので、引っ越しシーズンと被らないよう調整出来るのであれば少し費用を安く出来る可能性もあります。
賃料の安い物件の中には、一般的にはデメリットと呼ばれていても、人によっては気にならない場合もありますので、全ての物件が悪いという訳ではありません。一番避けたいのは、入居後にストレスやトラブルを抱えてしまう事です。契約前に安さの原因を確認し、納得した上で入居される事が大切だと思います。